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金澤敏明氏が様々な中級以上の戦術を解説してくれた講義の4回目。「右玉」について

「右玉」を応用することで気が付けば…
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「右玉」を応用することで気が付けば…

 

 

金澤敏明氏が様々な中級以上の戦術を解説してくれた講義の4回目。
この講義では、攻撃思考の金澤敏明氏が珍しく防御について熱論してくれました。

 

「右玉」についてです。

 

 

右玉の陣形図

 

 

一応、素人さん、初心者の方にも説明しておきますが、右玉は、文字通り、→王。
盤上の右に玉を配置する形です。

 

同時に、右玉は、飛車を右に置く居飛車であり、対局者が居飛車で組んできた際に、玉を左に囲うことで対局者の攻撃を正面から受けることになり、玉が右にあれば対局者の攻撃から遠く、攻撃の効果を小さくすることができるのが特徴です。

 

飛車と玉は遠ざけるのがセオリーになるわけですが、右玉は居飛車にも関わらず、右側に玉を移動する戦法だということを念頭において考えなければならないのがポイントです。

 

この講義で何がタメになったかというと、金澤敏明氏の考える駒組はほぼ伊藤流の人たちが皆取り組んでいることで、その後に風車へ移行していけるということ。

 

最後は風車戦法をやりたいという中級レベルの棋士たちにとっては、この風車までの移行手順が、明確に筋道が描けるナイスアイデアではありませんか?

 

これで囲いの形はイメージできるようになりました。

 

まだ右玉の研究は不十分ですが、実践で対局者が開幕後すぐに3間へ振ってきたとして、向かい飛車を使うことも出来ず、それならばと、右玉を試してみてはどうでしょう?

 

見事なくらいに対局者の攻め手を食らわないことに気づきます。

 

対局者も長期戦上等の振り飛車穴熊だったなら、飛車先の歩を換えて→また戻るを粘り強く続けます。

 

飛車を一段目に戻して、風車まで移動に成功します。

 

これなら、居飛車対策しかしてなかった、策の無かった初級者~中級レベルの棋士でも、振り飛車対策が新たにひとつ身に付いたことになりますよね。

 

難点が唯一、向かい飛車に振ってしまったパターンにおける風車への変換手順です。
そのままでは1段目に桂馬の残党が居るおかげで、風車へ変換していけないんです。

 

金澤敏明氏はこの秘策について来月講義してくださる約束をしてくださいました。

 

まずは、右玉をマスターしましょう。

 

 

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