金澤敏明氏が教える中級者がより強くなるコツ
曖昧な攻め筋を明確にする
金澤敏明氏は現在の実力を身につけるまでのこの約10年間、決死に意識してきたことがいくつかあるそうで、そのひとつが、"曖昧な攻め筋をほぼ決め打ちにしていく"という考え方について。
まだ実力が伴わなかった20代ごろ、川越会などの親善トーナメントでその技術を磨いていた日々に、常に意識してきたのがこういった将棋と向き合う際の考え方なのだそうです。
攻め筋は、いつもその場その場でふわふわ地に足つかない戦術で一喜一憂していたと語る20代。
上達していく中で、一心するようになってから指し方が劇的に変わって言ったのだそうです。
これは序盤戦において攻めあぐねた場合のきっかけになることもあるようで、攻めの方針を考える上でも大切なポイントになっていくようです。
仮に攻め筋が決まっていなければ、攻めている時にどこを突破してどのように展開したかったのかも途中でワケがわからなくなり、成長に繋がっていかないのだとか。
したがって、曖昧な攻めで攻めの手が緩くなってしまったりすることも生じます。
つまり金澤敏明氏が言いたいのは、「目的を持って指す」ということに尽きるということなんですね。
棒銀で言うなら、銀を交換させたいがために、自分で情勢を見極めながら、タイミングや局面を見極めてさして生きますが、このときに目的を持って指すというのとそうでないのとでは雲泥の差があるということ。
対戦相手が実力者ならこの局面を瞬時に察知して、銀を交換させないようにしてきたり、他に変わる良い手で対応してくるでしょう。
将棋は盤上の駒を動かして、対戦相手と言葉を交わすような脳のスポーツと言われています。
極論で考えて、明確に攻め筋を決めて取り組むほどに対戦車はこちらに脅威を感じて挑んでくるというわけです。
もし自分自身に成長を感じたらその攻め筋を念頭において駒組みを進めていくのが序盤、中盤の駒組みの巧みな運び方です。
矢倉などはその攻め筋の一つと考えることができます。
また、終盤での明確な攻め筋は最大の武器になり、シンプルな攻めになるほど早くて受けにくくなっていきます。
さらに、より上級者になると、攻め筋を決めるシチュエーションも上手になっていきます。
それは時として矢倉戦や振り飛車対居飛車相手にでも活きてくるでしょう。
戦術を決めるときなどが、そのタイミングと考えましょう。