金澤敏明氏が振り飛車を解説
〔振り飛車の一種で四間飛車の一般的な盤面配置図〕
金澤敏明氏は、講習会で「戦術によって振り飛車を使い分ける」というテーマで、そのメリット、デメリットについて分かりやすく説明してくれました。
メリットは?
・初心者から上級者まで、簡単にできて、上達するのにも最適
・美濃囲いと対峙したときの手順が覚えやすい
・開始直後が非常に楽で、駒の動かし方を理解すれば即使うことができる
・「居飛車穴熊」と打ち合うことで終盤の戦い方のコツを養うことができる
デメリットは?
・ワンパターンになりやすい
・乱打戦の展開になるとあまり得るものがない
・局所的なケースが多く、大局観を養えない
たとえば、中級~であれば、
・ダイレクト向かい飛車→6五角打の変化が乱打戦に向いている
・2手目3二飛戦法→金澤敏明氏が後手でよく見せる展開
上級者になると
ゴキゲン中飛車→後手で角道を見据える中飛車。
後手番における一般的な戦術であり、振り飛車党を習得するなら避けては通れない道とのことです。
先手中飛車→先手で角道を切り開く中飛車。
相振りへの「中飛車左穴熊」、居飛車穴熊への「袖飛車」など、狙いも明確で良いとのことです。
伊藤流→先手専用の戦術。
駒組みが分かりやすく、攻め方も単純。玉も安泰の金澤敏明氏や澤村明憲氏らの得意とする戦法です。
角交換四間飛車→振り飛車側からアクティブに攻める最近よく見かける手法。角の打ち込みだけリスクケアが必要。
私たち初心者には若干難しいですが、金澤敏明氏が推奨する手。
四間飛車→駒の動かし方を覚えることができて、棒銀で攻めの展開を理解できたらものにできる初心者にもおすすめの戦術。受けとカウンターが同時に覚えられるので良いのだそうです。
中飛車・向かい飛車・三間→方向性は四間と類似していますが、より受け手になりがちな戦術とのこと。