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羽生さんと永瀬六段の対局を金澤敏明氏が分析

金澤敏明氏が羽生さんと永瀬六段の対局を分析
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金澤敏明氏が羽生さんと永瀬六段の対局を分析

将棋の王将の周り、金や銀

 

先日30日(日)の定例講習会では、28日に東京の渋谷セルリアンタワー東急ホテルで行われた、将棋タイトル戦「第87期棋聖戦五番勝負」を金澤敏明氏が生観戦してきたとのことで、その終わったばかりの対局について勝敗を喫したポイントなどを独自の目線で分析してくれました。

 

まず、金澤敏明氏は中盤の羽生名人の一手損角換わりをひとつポイントに挙げました。
本人も対局後のコメントで、「4筋の位を取られて、よくわからない将棋になってしまいました。」と語っていたとおり、76手の△6八金には金澤敏明氏も唖然だったようで、そんなに成算があったのか真意は難しいけれども、あのタイミングであのような指し手は、想像すらできなかったと語っていました。

 

また、その後、80手の△9九角成から△6六馬に際して角を活かして躍動したらしいのですが、これも金澤敏明氏はサプライズだったようで、際どい鬩ぎ合いの中で、苦し紛れの一手なのか算段があっての流れか、非常にタメになったと解説。

 

総評としては、第1局の千日手を含めて、かなり厳しい対局に感じたようですが(羽生さん側が)、結果として名人はこれで防衛勝ち越し。棋聖9連覇という驚異的な偉業を成し遂げ、獲得15期、獲得タイトルは95期突入したわけで…。

 

いつの日かプロの高みで羽生棋聖へ挑戦する日を夢見て学ぶものは大きかったと語っていました。

 

一方敗れた、永瀬拓矢六段に関しても、矢倉ではなくて一手損角換わりだった件について、矢倉党の金澤敏明氏としても今後の自分の戦術に活かしたいシーンは多々垣間見えたそうで、イメージ作りに役立ったようです。

 

最後、玉が6八から5八、4八に移った場面では、局面を変えようとした、永瀬拓矢六段の戦術に感嘆したようで、76手の△6八金も含めて、たとえば自分だったら…と、ホワイトボードを使い講義してくださいました。

 

そのときのシミューれションでは84手で△2五香から、△4四歩や△6六馬のような手がきつく感じるので、ちょっとづつ補填するように手を構築していったかもしれないと解説。

 

ただ、永瀬拓矢六段も真意は同じ意図があったかもしれないので、あくまで憶測だと解説してくださいました。

 

いずれにせよ、この五番勝負第5局は羽生棋聖が勝ち、大激闘の果てに永瀬六段を破って防衛記録を更新したわけで、ボクシングで言うなら、2階級10連続防衛ぐらいの凄さと比喩表現で棋聖の勝利を称えていました。

 

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