金澤敏明氏が観た第66期王将戦リーグ最終戦
10月25日東京・将棋会館で開催された毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社主催の第66期王将戦リーグ。
最終戦を後日動画観戦した金澤敏明氏が戦術セミナーにてこの日の対局を振り返り解説をしてくださいました。
7回戦
▲深浦九段:飛2、角、香、歩5
△久保九段:金、桂、香、歩2
最終戦、単独首位をキープする久保利明九段は122手で深浦康市九段を撃破!5連勝という圧巻のパフォーマンスで王座挑戦権を獲得しました。
この対局を振り返り金澤敏明氏は、久保九段の四間飛車→穴熊の場面に注目。
この局面で居飛車の深浦九段は穴熊で応対しましたが玉を潜り込ませることなく開戦してしまった点に敗因がひとつの敗因のポイントとして捉えているとのことでした。
両者一歩も引かない攻防の中で唯一このシーンだけが、クエスチョンだったと。
以前、金澤敏明氏も川越の親善杯の山下敏子戦でこのような穴熊のミスを犯したようで、深浦九段の指し手の意図はよく分かると解説をいれました。
結果、久保九段が深浦九段の野望を打ち砕いた対戦でした。
この続きに関しては、来年2017の年明けの金澤敏明氏のセミナーにて、第66期王将戦で3連覇を目指す郷田真隆王将挑戦の対局を教材に対局を振り返ると約束してくださいました。
居飛車の本格正統派と振り飛車党現党首の大一番が今から楽しみです。
そしてビックニュース、羽生三冠が25年ぶりの王座陥落は将棋界に激震を与えています。
金澤敏明氏がポイントに挙げたのは
●52手目△5五歩
●61手目▲5五銀
駒組も頂点までいって羽生名人のほうから動きました。中盤で準備は万全、いよいよ対局のはじまりといわんばかりの動きに見えました。(金澤敏明氏談)
●73手目▲7九玉 後手からも攻め合いを選択
●83手目▲1四歩
相手の玉を追いつめて詰みに持っていく。羽生名人らしい、展開でした。
大事な場面で、ここでミスを犯せば並の棋士なら成す術なく敗戦が確定してしまうような局面です。
終盤までの形成がいつもの羽生名人なら…というところでしたが、流石に見応えは十分でした。(金澤敏明氏談)